アフリカ沖にいる!GPSモジュールと位置情報の精度について


こんにちは。開発部の対馬です。
今回は、GPS衛星とGPS端末が計測するデータの精度の関係について、という記事を書いてみようと思います。

衛星捕捉数

GPS端末(モジュール)は、複数のGPS衛星からの電波発信時刻を受信し、電波受信時刻との差により、その衛星からの距離を測定します。
複数のGPS衛星の位置関係から、自身がどこにいるかを判断します。
最低3か所の衛星から同時に電波を受信しないと、自身がどこにいるかは判断できません。
電波を受信するGPS衛星の数が多いほど、自身の座標判定の精度が上がります。
弊社のGPSソリューションでは「衛星捕捉数」という基準で、GPS情報に対し、GPS精度の良し悪しを判断しています。

PDOP

PDOPとはPosition Dilution of Precisionの略で、「位置の精度劣化」度合を表します。
GPSモジュールの位置の誤差と衛星の位置の誤差との関係を表します。
この数値は少ないほど良いと見なされます。

GPS端末の座標を確認する

ということで、衛星捕捉数とPDOPの数値と座標の関係について、いろいろ見ていきます。
まず衛星捕捉数から確認していきましょう。PDOPは正常な範囲のもののみ表示しています。

sate0
衛星捕捉数にフィルターをしない場合の座標群です。だいぶおかしなデータも多いですね。
ギニア湾あたりにいるGPS情報は、緯度0、経度0のデータです。

sate3
衛星捕捉数が3以上の座標群です。これが先ほどの「最低3か所」以上ですね。
弊社のGPSソリューションでも、衛星捕捉数が3未満のデータは信頼できないデータと位置付けています。

ちなみに樺太のほうに飛んでいる赤い連続したデータは、高速で走行したデータです。
高速で走行していると、一度ずれるときれいにずれますね。

sate5
衛星捕捉数が5以上の座標群です。だいぶおかしなデータが減ってきました。が、まだ少しありますね。

sate7
衛星捕捉数が7以上の座標群です。ようやく、海上にまでずれるようなデータがなくなりました。

今回、衛星捕捉数が正常でPDOPのみ信頼性の低いデータが取れなかったため地図上で違いをご覧いただくことはできませんでした。

このように、GPS情報は周りの環境によって、不思議な場所までずれてしまうことがあります。
ビル街や山中など、GPS電波を乱反射しやすい場所、衛星の捕捉数が期待できない場所では、
このようなことが普通に起こりうるので、覚えておくとよいかもしれません。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。