2025年2月5日・7日の2日間、旭川工業高等専門学校の3年生の「数理・データサイエンス」の授業で、私とフバチが実務者講師を務めました!
テーマは 「社会実装から見るデータサイエンス」 ということで、 データサイエンス(ビッグデータ、AIを含む)が社会でどのように活用、実装されているのか、具体的な事例を交えながらお話しました。
(私自身、80人以上の学生の前で初めての90分講義ということで、大変緊張しました…)
具体的な講義内容
講義では、以下の3つの点を中心にお話ししました。
1. AIの社会への浸透と活用事例
2024年のノーベル賞は、史上初となるAI関連の研究に贈られ、さらに化学賞、物理学賞というダブル受賞ということで大きな話題になりました。
- 化学賞では、50年来の課題であったタンパク質の複雑な構造を予測に対する貢献が評価されました。特に、AlphaFoldなどのAIモデルによって、困難であったタンパク質の3次元構造の高精度な予測が可能になり、タンパク質の理解や新薬の開発に大きく寄与しています。
- 物理学賞では、今日の「機械学習・深層学習」の強力な基盤となる、人間の神経回路を模倣した「人工ニューラルネットワーク」の基礎研究が評価されました。
このように、ノーベル賞 (人類への最大の貢献の証)でも、AIは大きく関与しており、今後も様々な分野(化学工学、シミュレーションなど)にAIが浸透、活用されていくことを紹介しました。
2. データサイエンスとは?特に教師あり学習について
色んなところで「データサイエンス」という言葉を耳にする機会が増えているかと思いますが、今回の講義では、現時点で私が思う「データサイエンスとは何か」、そしてデータを活用する上で重要なポイントについてお話ししました。 特に、機械学習(深層学習)の手法の一つである教師あり学習を用いて、どのようにして、データから価値を生み出すかについて解説しました。
3. 社会実装の実例紹介
実際に、教師あり学習を使って課題解決に取り組んだ3つの事例を取り上げて、それぞれポイントとなる部分についてお話しました。機械学習を学ぶときに、初めて触るであろうテーブルデータをはじめ、音データ、画像データを使った事例まで幅広く紹介し、さらには、ニューラルネットワークの構造を自動探索する、Neural Architecture Search(NAS)についても少しだけですが、触れました。
(改めて振り返ると、詰め込みすぎたなと、反省しています…)
講義を終えて
ご静聴いただいた学生の皆さん、本当にありがとうございました!
皆さんが学んでいる専門分野とデータサイエンスの力を組み合わせることで、新たな価値を生み出し、未来を切り開いていくことを期待しています。
(私のように専門分野を疎かにせず、今学んでいる知識をちゃんと身に着けてもらえたらなと…)
また、講義中にもたくさんの質問をいただき、皆さんの積極的な学びの姿勢にとても感銘を受けました。同じ高専出身として、編入についての質問があったことも非常に嬉しく思います。就職や進学など、それぞれの道での皆さんの活躍を心から応援しています!