ベトナムIT企業視察で得たオフショア開発に対しての気づき


こんにちは!

SJC共同開発推進室の菊池です。

近年、オフショア開発が一般的になる中、当社もベトナムの企業と開発パートナーシップを結んでいます。

私自身オフショア開発の経験はありませんでしたが、オフショア開発推進を目的としたベトナム企業視察に参加し、多くの気づきを得ることができました。

今回はその気づきを共有していきたいと思います!

視察前のイメージ

まず、ベトナム企業視察前までのオフショア開発に対するイメージは、次のようなものでした。

メリット

  • 人件費が低い
  • 豊富な人材リソース
  • どんな業務内容でも対応可能で発注しやすい

デメリット

  • 言語の壁によるコミュニケーションの困難さ
  • 地理的な距離による連携の難しさ
  • 品質管理の懸念

今回の視察では、これらの認識が実際に正しいのかを確認するため、ベトナムの主要IT企業を訪問し、現地で働く社員や職場環境を直接見て確かめてきました。

視察してみて感じたこと

予想を超える日本語能力

まず、何より日本語の上手さに驚きました!

一般的に外国人には難しいとされる日本語での会話に対して、前後の文脈や場の雰囲気から、会話の細かいニュアンスまで感じ取ってくれたため、スムーズな会話が可能となり、常に日本人同士で会話しているかのようでした。

社員の方に話を聞くと、上位の役職(マネージャー職など)になるためには、日本語検定の取得が必須とのことで、

大学でも日本語の講義を受講したりするなど、日本語に触れる機会が非常に多いとのことでした。

そして、何よりお会いした全員が親身で明るい対応をしてくれたことに、日本人として嬉しさを感じました。

むしろ言語の壁はほとんど感じられず、積極的なコミュニケーションへの意欲が印象的でした。

優れた対応力と成長スピード

視察前から、最新技術に対する適応力や技術力の高さは聞いていましたが、

さまざまな国の案件に対応することで培われた能力にすごさを感じました。

日本だけでなく、アメリカや中国など、多様な国の案件に携わる中で、それぞれ違う環境や要件に対応しながら質の高い製品を作り上げ、しっかり成果物として納める能力のすごさ。

また、ラボ型開発の場合、ブリッジSEは、現地に溶け込みながら、日本側と密に連携し、異なる文化やビジネス環境の中でもスムーズに開発を進めていかなければいけないという環境におかれています。

私がベトナムに行って、案件をこなしていった環境に置かれた場合、その国の言語の習得、会社の雰囲気への適応、慣れない国で私生活など大変なイメージしか湧きません。

そこをクリアし、迅速に成果物を上げるところまでもっていく対応力にすごさを感じました。

視察を通じての総括

現地の人とたくさん話し、日常会話レベルのコミュニケーションは全く問題ないことを実感しました。それと優れた対応力や技術力も感じられました。

ただ、やはり技術的な要素が入ったりと少し複雑な会話においては、会話の意図を伝えるために、何度か伝え直すこともあり、コミュニケーションに対する課題も見受けられました。

ですが、この問題は「国が違うから」「言語の壁があるから」などという理由ではないと考えます。

コミュニケーション課題へのアプローチ

「暗黙の了解」の排除

日本人同士の会話でも、無意識に重要な点を省略したり、なんとなく分かるだろうという前提で伝えてきた「暗黙の了解」の部分が見え隠れしています。

伝わりづらかった会話は、この「暗黙の了解」の部分が顕在化しただけなのではないかと考えます。

つまり、「暗黙の了解」をなくす努力により、コミュニケーションの課題は解消できるはずです。

ここからは、私が思ったコミュニケーション課題へのアプローチ方法を述べていきます。

日本語以外でのコミュニケーションの活用

ベトナム人エンジニアは総じて高い英語力を持つ人が多いとのことで、この強みを活かし、技術的な議論では英語を活用することで、より正確な情報共有が可能になります。

また、英語を使えることで、対ベトナムだけでなく様々な国とコミュニケーションをとることができるようになるため、自分にとってもプラスに働くはずです。

他にも、UMLなど視覚的なものを活用することで、言語に依存しないコミュニケーションが図れると考えます。

もちろん、ソースコードも世界共通の言語です。可読性の高いコードを心がけることで、より効率的な技術的コミュニケーションが実現できるとも考えます。

定期的なコミュニケーション場所の確保

実際に現地の人と話をして感じたことですが、表情や仕草は、国を超えても伝わります。

文字や音声だけでは伝わりにくいところは、身振り手振りで伝える、表情豊かに対応するというのも、

円滑なコミュニケーションをとる上では非常に重要ではないかと考えます。

また、ラボ型開発では、実際に日本の企業で一緒に働くことが可能です。

これにより、対面でのコミュニケーションが可能になり、チームが一体となった長期的な開発体制を構築できると思います。

ランチなどに行き、雑談をすることで、よりよいコミュニケーションを築くことも大切なことだと考えます。

 

「日本相手だから日本語を話せて当然」という考え方は当然誤りです!

我々、受け入れ側が思いやりを持って接することが、コミュニケーション課題の解決につながると考えます!

まとめ

今回の視察を通じて、オフショア開発に関するさまざまな気づきを得ることができました。

懸念していたコミュニケーションについても、現地エンジニアの高い日本語能力と親日的な姿勢を見て、私たち日本側の歩み寄る努力で十分に乗り越えられると感じました。

むしろ、これを機に日本人同士の会話の中の「暗黙の了解」を見直すことで、通常業務の生産性向上につながるのではないかとも思いました。

ただ、私はまだオフショア開発は未経験であり、実践してみないと見えてこない課題もあるのではないかと思います。

まずは実際に取り組んでみて、その経験を基に改善を重ねていきたいと考えています。

 

また、これまであまり関心のなかった海外に対する興味が大いに湧きました。

次は、他の国へも訪問してみたいです!

さいごに

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