アーバンな都会をサヴァイブする。スタイリッシュ出張のすすめ。


アドベントカレンダーも残すところあと、3日。
23日目の担当は國塚です。

今回は出張で移動してばかりの私が、約2年半の旅暮らしの中で編み出した究極(?)の出張負担軽減策を、「衣」「食」「住」にわけてご紹介します。

移動しながら都市生活を送るのに役立つ、大変ニッチな知識が満載です。

移動がつづく毎日を楽しく健やかに過ごしたい。

私は現在、経営企画部 新規事業グループというところに所属しており、全国のパートナー様のサポートやセミナー講師をやらせていただいています。
そのため、月の半分以上を札幌以外の土地で過ごしています。

全国からお声をかけていただけるのは大変ありがたいことである一方、大変気の休まらないの日常であることは否定できません。
このことから、自分自身が楽しんで仕事をしていくためには、出張や移動そのものを楽しめるかどうかがとても重要なのです。

仕事以外のことでストレスを抱えてしまえば、その対応に生産性やら体力やらがスポイルされてしまいます。
そのため、出張中の移動や宿泊先で快適に過ごすことはクオリティの高い仕事をするためにも重要なことであると、この際なので口角泡を飛ばし拳を握りしめながら力説したいと思います。

先にお断りしておきますと、タイトルで煽るほどスタイリッシュではない上にいくつかエクストリームな内容を含んでおり、万人にオススメできるお手軽ライフハックではない点は、ご了承ください。

衣 〜必要なアイテムを装備する。

出張での移動は、多くの場合長距離を意味することが多いですが、長距離の移動が電車で隣駅まで行くのと決定的に違う点、それは気候が大きく変わることです。

暑かったり寒かったり、びしょ濡れになったりしてつらい。

例えば冬。
北海道はにわかには信じられないくらい寒いため、本州と同じ装備ではあっという間にやられてしまいますし、逆に道内仕様の装備で本州に行った場合には携行する荷物が無駄に増える結果になり、どちらも最終的には身体的にも精神的にも疲弊してしまうのが常です。

季節が夏であったとしても油断はできません。
抜けるような青空の下、意気揚々と新千歳空港を飛び立ったにも関わらず、到着先で避難勧告が出るほどの集中豪雨に会うというシーンにも何度か遭遇しました。

天候に翻弄される。

移動が多いと、それだけ天候の変化に翻弄されるシチュエーションが増えます。

先日は東海道新幹線が大雨で運行見合わせになったことで、名古屋の手前の名も知らぬ駅で降ろされたあげく、ローカルの私鉄を2時間乗り継いで移動しました。

またある時は飛行機が天候不順で引き返した末に、暖房を切られた空港の冷たいイスで眠ることを余儀なくされ、ろくに寝れないまま翌日からまた移動。眠くて死にそうだったことは言うまでもありません。

そして極めつけに昨年の12月25日は、大雪で飛ばない飛行機を待ちながら、大阪でひとりぼっちのクリスマスを過ごしています。

そんなことが起こるたび、大自然の力とは斯くも大きなものかと、打ちひしがれる思いです。

ただ打ちひしがれてばかりもいられませんので、対策はしましょう。

こういった気温差や雨のような問題は気合いでどうにかなるものでもないため、下記のような装備を持ち歩きます。

左から軽量折りたたみ傘、軽量シェルジャケット、軽量ダウンジャケット

軽量というのがポイントで、これらは全部合わせても5-600g程度なので、これらを常に持ち歩いていつでも使えるようにしておくと良いでしょう。ほとんどのシチュエーションは快適にやり過ごすことができると思います。

世の中にはもっと高価でもっと軽量な装備がたくさんありますが、いくつか使ってきた中でもこれら製品の耐久性と、壊れたときにどこでも同じものが買える入手性で評価しています。

要はアウトドア向けの機能性ウェアを都市部で使おうという提案なのですが、最近そういうファッションをアーバンアウトドアなどと言うそうですので、おしゃれの一貫だと言い張りたいと思います。

私がビジネスの打ち合わせに登山家みたいな装束で現れることがあったら、お察しください。
※もちろん人と合う前には脱いでますけどね。

食 〜必要な分だけ食べる。

食に関してはテクニックなどではなく、気合いと根性がものを言う世界と言わざるを得ません。

出張は間違いなく太る。

遠方に出掛けますと、(特に慣れないうちは)ご当地ラーメンや○○定食、XX丼なんかに代表される、味が濃くて脂っこいものについ目が行ってしまいがちです。
出張中はお酒の席に顔をだす回数も増えるかもしれませんし、コンビニで買ったお弁当で遅い夕飯をとるようなこともあると思います。

私もご多分に漏れずそういう食生活を送っていた時期があり、体重が増えただけでなく健康診断で特定の項目がゴキゲンな数値を叩き出した反省を踏まえ、今ではルールを決めて口に入れるものやタイミングを管理するようにしています。

移動中は食べない

公共交通機関での移動が増えるため、機内・車内では(実際に空腹かどうかは別にして)なんとなく何か口に入れたい気持ちになるものですが、これは絶対やめるべきですね。飛行機の中は空気が異常に乾燥するので、お茶か水だけは持ち込みます。気合が必要です。

昼食も食べない

だれかと一緒にいる場合はこの限りではありませんが、基本出張中に昼食は食べません。
その代わり朝ごはんをちょっと無理してたくさん食べることにしています。気合が必要です。

コンビニでは夕飯用の決まったものしか買わない

コンビニにはお弁当やカップラーメンやおにぎりなどのお手軽な食品がたくさん並んでいますが、それらを足早に通り過ぎて私が購入するのは、豆腐、納豆、、パウチ惣菜の豆のサラダ、フリーズドライのスープ各種、ペットボトルの水、ツナ缶、野菜ジュースのうちのどれかです。

お前はどれだけ大豆好きなんだという感じですが、豆は畑のお肉ですからね。

デパ地下を探索しよう

ここまでご覧になると、「こんなストイックな食生活でなにが楽しいの?」という疑問が浮かぶことと思います。私もちょっとそう思います。

せっかくだから時間が許せばご当地グルメも堪能したいですよね。

そういうときは通称デパ地下と呼ばれる、デパート地下階にある食品街に行くと良いでしょう。
老舗から人気店まで地域のお店が数多く出店していますので、外食よりもリーズナブルな価格で地場のおいしいものを入手可能です。
さらに個包装で買える場合が多いので、栄養素やカロリーも自分でコントロールすることができます。

以前京都に行った際に、四条通に面したデパートの地下でご当地食品を買いもとめたことがありました。
その時私が買ったのは、揚げ出し豆腐、よせ豆腐、小粒納豆です。あとたしかサラダだったと思います。大変美味しくいただきました。

お前どれだけ大豆好きなんだという感じですが、豆は畑のお肉ですからね。

上に書いた内容は、大豆のタンパク質を中心に摂取しましょう以外はなにも言ってないに等しいですが、日常的に経口摂取する食品について、振り返ってみることは大事なことです。

医食同源という言葉もありますが、いかに非日常に流されず、食べものをコントロールできるかが勝負です。
浮かれていたら負けるので気合いが必要です。

私とて大豆しか食べてないわけではなく、普段は栄養バランスを考えて食事していますが、出張中にこの修行僧じみた食生活を8ヶ月程続けた結果、体重が65kgから55kgまで減りました。

あまりに急激な体重減少なので、病気じゃないよな・・・と別の不安を抱えてはいますが、体の調子はすこぶる良好な状態を維持しており、きっとカロリー摂取量とかが過剰だったんだと思います。

変な病気でなければ、別の機会にこれをデパ地下ダイエットとして世に提唱したいと考えています。

住 〜必要なものだけ持つ。

身も蓋もない話になりますが、ホテルにお金を多く払えば良い部屋に泊まれるのは当然です。
なのでここではホテル選びの話ではなくて、暮らすための道具を持ち歩くキャリーケースとその中身の話題を。

ここまで何度か持ち物について書きましたが、これらをいかに美しく、機能的にパッキングするかと言う点に楽しみを見出すことによって、より洗練された自分だけの出張スタイルが見えてきます。

私の場合、2〜3週間程度の荷物であれば写真のキャリーケース(機内持ち込みサイズ32L)とバックパックにすべて収まります。

ビジネスなのでジャケットや革靴も必要になりますが、硬かったり重かったりで好きになれません。できることなら着用したくないと考えており、その結果いつも私服を持ち歩くため、2泊3日でも2週間でもあまり荷物の量が変わらないのが悩みと言えば悩みです。

ポイントは、とにかく衣類を丸めて収納すること、寒い時期でも厚手の服を持たずに前述のダウンとソフトシェルジャケットで防寒することです。

他には、アウトドア用のチタン軽量マグカップ(450ml)を常に携行しており、これでコーヒーを飲んだり2Lペットの水を飲んだりフリーズドライのスープや雑炊を食したりしています。

最近では家や会社でもこのマグカップを使用し、プライベートの旅行先やキャンプ、帰省先の実家でも気づけば左手に持っているので、人類が進化の過程で獲得した新たな器官かもしれないと思うことにしました。

このマグカップを持ち歩くことで、ゲストハウスのように「洗面台はあるけどコップは自前」のような宿に対応することができたり、日頃からキャンプ感を醸し出すことでほんの少しだけ楽しくなる効果なども期待できます。

コンビニで割り箸を入れてもらえないことで発生するホテルの部屋とコンビニの往復イベントも、これとスポーク(スプーンの後ろがフォークの食器)のセットがあれば回避できます。

出張道へのいざない

このパッケージに落ち着くまで試行錯誤を繰り返してきましたが、この状態でもまだ完成とは言えません。
なぜなら世の中は常に動いており、新しい技術の開発によってより優れた機能性素材が登場したり、小型軽量で高性能なガジェットが登場してきます。
また昨日まで必要だと思っていたものが、自分の考え方ひとつで突如不要になることも少なくありません。
おそらく一生このパッケージの完成を見ることは無いのだと思います。

華道、茶道、剣道、弓道など、人によって極めんとする道はさまざまですが、キャリーケースの大きさにあわせて持ち物や機能を取捨選択していく行為に楽しさを見出した瞬間から、あなたは求道者として出張道と呼ばれる長い道の、その入り口に立ったといえるでしょう。

まとめ

いかがでしたか。
今回ご紹介した内容は、一部極端すぎる内容も含まれることから、万人にオススメできる出張スタイルとは言えません。
また、別に出張の話に限らない取り組みも多分に含まれています。

しかし楽しく仕事をする上で大切なのは、その試みの内容もさることながら、ストレスを放置せずテクノロジーを駆使したりライフスタイルを変化させることで、その解消に向けた努力を継続することに尽きます。

そして、衣食住のサブタイトルにもあるように、自分にとって必要なものとはどんなものなのか、またそれはどれくらいの量なのかについて、できるだけ具体的に把握することがに何より大切になります。

そんななかで、ひとつやふたつエクストリームな結果に行き着くのは仕方のないことなのです。

普段の社会生活においてもイヤなものに蓋をせず、一つ一つ解決するクセをつけていきたいものですね。

自戒も込めて。