「IoTプラットフォームって、何者ですか?」という質問に答えます


アドベントカレンダー7日目は、開発部の松永がお届けします。

いよいよ2017年も終わりが近づいてきました。
今年の流行語大賞も決まりましたね。「忖度」と「インスタ映え」です。多少の言いにくいことも、忖度といえばその場が収まる、そんな一年でした。私の脳内では。

が、皆さん、ご存知でしたでしょうか。その裏で「AIスピーカー」がノミネートされてるんです。2016年も「AI」がノミネートされています。すごいですよね、「AI」というキーワードは。昨年に引き続き、今年もAIがブレイクといったところでしょうか。

いやいや、ちょっと待って。エコモットにとって重要なもうひとつのキーワードがあります。そうです。IoTです!

IoTは、流行語大賞には残念ながらノミネートされず。これだけ流行っているのに!多くのビジネスマンが知る単語にはなりましたが、まだまだ職場の話題に上るレベルではないんでしょうか。ましてや、「IoTプラットフォーム」となると、知ってるような知らないような微妙なキーワードになっているんじゃないかと感じております。

FASTIOもIoTプラットフォームです。
今日は、FASTIOの何たるかを正しくお伝えするため、IoTプラットフォームとはそもそも何ぞや?というお話をしていきたいと思います。

IoTプラットフォームとは?

私は、IoTプラットフォームは「IoTのシステムを短期間で構築するための、基盤となるソフトウェア(もしくはハードウェア)」と捉えています。

エコモットは、ロードヒーティング遠隔融雪サービスの「ゆりもっと」、建設土木工事現場向けの「現場ロイド」と、さまざまなIoTシステムを構築してきました。目的としては全くの別物なのですが、システム的な観点でいうと、類似している点は多くあります。

まずは、現地で起こっている様々な事象を数値化するセンサーとデバイス、デジタルデータをクラウドへ送るネットワーク、データを受信および判断するクラウドなど、全体の流れとしては非常によく似ています。また、保管されたデータにアクセスするためのユーザ管理機構、認証機構なども同じです。

このように、IoTのシステムでは、共通して使われるであろう機能が多数あります。これらの機能を、さまざまな局面で利用できるようにまとめたものが、IoTプラットフォームです。一からIoTシステムを開発するよりも、IoTプラットフォームを利用したほうが、はるかに短時間で構築することができます。

IoTシステムの構築は、多くの企業にとっては新たなチャレンジであるため、PoC(Proof Of Concept:概念実証)で進められることもあります。要は、本格的な開発の前に、自分たちのIoT化のコンセプトって本当に適切なんだろうか?というのを確認します。こうした目的においては、時間とコストを掛けて一からシステム開発をするのでなく、スピーディーに立ち上げることが最重要であり、そういったケースにおいては、まずはIoTプラットフォームの利用を検討してみるのがよいでしょう。

どう違うのか?

IoTプラットフォームと謳っている製品って、実はものすごく多いのです。国産のものだけでもかなり数があります。が、よく見ていくと各製品、方向性に違いがあるんです。

IoTは、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、クラウドインフラ、保守運用、様々な要素を組み合わせて実現するシステムであり、どこに重きを置いているかによって、性格が違ってくるのです。

ここでは、IoTプラットフォームの種類を、以下の4つに分類していきます。

(1) デバイス側プラットフォーム、デバイス管理

主に、センサー側デバイスを中心とした機能を提供します。センサーとのインタフェースや、クラウドとの通信機能などがあります。また、デバイスを遠隔でメンテナンスする機能などもあります。

(2) モバイルネットワーク管理

IoTでは、デバイスとクラウドとの通信にモバイルネットワークを使うことも多いです。当然ながら月額費用が掛かるので、適切なプランの選択、状況に応じた回線の開通および閉塞をする必要があり、そうした管理を行うためのプラットフォームです。

(3) データ収集、ビジュアライズ

デバイスより送信されたセンサーデータを受信、保管、判断をします。判断の結果、現地側での制御が必要であれば、デバイス側へ制御指示を出します。当然ながら、保管されたデータを検索し、テーブルやグラフ形式で表示する機能もあります。

(4) データ活用

上記(3)のプラットフォームと連携し、蓄積されたセンサーデータを、専門的な手法で分析・表示するための機能を提供します。BIツールやAI系サービスなどがあります。

すべての製品が以上の4種類に分けられるわけではありません。製品によっては複数の分野に横断するものもありますが、IoTプラットフォームを検討する際の、基本的な視点として捉えて頂ければと思います。

FASTIOはどういった製品か?

FASTIOは、(3)データ収集、ビジュアライズ、を実現するためのクラウドサービスです。基本的には、データ収集と蓄積、判断とビジュアライズ機能を提供するクラウドサービスです。私たちが、IoT”データコレクト”プラットフォームと銘打っているのは、そうした理由によります。

IoTを始めるには、FASTIOにデータ流し込む準備さえしていただければOKです。他社さんのゲーウェイ、ネットワークでも、データ送受信のインタフェースさえ合わせていただければ、簡単にIoTが始められます。

もっとスピーディーにIoTを始めるには、エコモット製のデバイスを使用していただく方法です。エコモット製のデバイスには、FASTIOとの接続機能がすでに搭載されています。また、センサーやサンプリング設定、モバイル通信契約からサーバ側との接続設定まで、エコモット側で設定済みの状態で出荷することも可能です。あとは現場にセンサーとデバイスを設置すれば、すぐにIoTを始めることができます。

FASTIOは、分類でいうと(3)のクラウドサービスなのですが、エコモット製デバイスを使用する場合は、(1)デバイスや(2)モバイルネットワークも含めた統合的なIoTプラットフォームであるとも言えます。

FASTIOには、これまでエコモットが構築してきたIoTシステムの経験を活かし、実践的な機能が多数搭載されています。本ブログに紹介記事がありますので、あわせてご覧ください。

長文になってしまいましたが、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

ちょっと早いですが、よいクリスマスをー!