こんにちは!
SJC共同開発推進室の菊池です。
就職活動中、IT企業の説明会などでよく「エンジニアにもコミュニケーション能力が必要だ」と言われましたよね。
ただ、コミュニケーション能力の中でも、どのような能力が求められるかまで言われた人は少ないのではないでしょうか。
本記事では、私自身の経験をもとに、エンジニアに求められるコミュニケーション能力について説明していきます。
多くの人が思う「コミュニケーション能力が高い」とは?
冒頭でも説明しましたが、就職活動中、IT企業の説明会などで「エンジニアにもコミュニケーション能力が必要だ」とよく言われました。
このとき、多くの人が思い浮かべる「コミュニケーション能力が高い人」のイメージは、
- 明るくハキハキ喋る。盛り上げ上手。
- 一方的に話さない。言葉のキャッチボールができる。
- なんとなく話していて楽しい。
といったような「話し上手」な人を想像するのではないでしょうか?
私も入社前までは、エンジニアの仕事は「話し上手」が活きる業務が多いのだろうと思っていました。
確かに、お客様との打ち合わせや社内会議のときに、雑談や無駄話などで場を温めて会議を円滑に進めるなど「話し上手」なことが活きてくる場面も多々あります。
ですが、実際に現場に入って開発業務をしていく中で、
「話し上手」=「コミュニケーション能力が高い」ではないことに気づきました。
会話というのは、コミュニケーションの一つの手段でしかなく、実際には、図や表を使用することでコミュニケーションをとることもあれば、グローバルなメンバーがいる環境ではソースコードでコミュニケーションをとるなど、「会話」以外でコミュニケーションをとることもあります。
大事なのは、コミュニケーションの取り方ではなく、相手や場面に応じた最適な方法でコミュニケーションを行うことです。
では、それは一体どういうことなのか掘り下げていきたいと思います。
1. 目的を明確に伝える技術
例えば、プログラミング中にわからないことがあったときに上司などに質問をすることはよくあります。
しかし、期待していた答えとは異なる回答が返ってくることも少なくありません。
このとき、「相手の理解が足りない」と考えがちになってしまいますが、実は、質問の仕方に問題がある場合が多いのです。
例)〇〇の使い方を質問する
- 例1:「〇〇の使い方を教えてください」
- 例2:「▲▲するために、〇〇を使おうと思うのですが、具体的な使い方を教えていただけますか?」
例1の場合、質問された側は限られた情報の中で、質問の意図を理解するしかないため、意図した回答が得られないことがあります。
例2のように、「~~のために」という一言を付け加えるだけで、質問の目的が明確になり、意図した回答を得やすくなります。
また、これは質問に限らず、タスクの依頼でも同様です。「~~のために、この作業をしてほしいんだよね」というように伝えるだけで、作業を振られた側は、より作業効率や成果物の質が向上します。
このように目的をはっきり伝えることで、質問を受けた側も「何をすべきか」が明確になり、作業効率の向上や成果物の質の向上につながります。
2. 相手の真意を正確にくみ取る力
目的を伝えることの重要性については先ほど触れましたが、実際にはうまく目的を伝えきれていない場合も多くあります。
そのため、逆の立場として、相手の真意を正確にくみ取る力も非常に重要になってきます。
例)「〇〇という機能を追加してほしいです。」に対して、
- 例1: 「わかりました。〇〇を追加します。」とそのまま実装に取り掛かる。
- 例2: 「〇〇の追加ですね。この機能を追加することで、どのような効果を期待されていますか?」 と尋ねる。
例1の場合、確かに要望を満たすものができるとは思いますが、良い例2のように、単に要望を受け入れるだけでなく、その背景にある目的や期待される効果を掘り下げることで、相手の真意を理解し、最適解を提供できる可能性が高まります。
また、要件定義のときに、この能力が非常に重要になります。
要件定義では、システム開発における「課題」「目的」「期待される効果」などを顧客から引き出す必要があります。これらを誤った解釈で開発を続けた場合、顧客の想定していたものとは異なるシステムができる可能性があります。
「こういうことがしたいんですよね?」と自分の解釈を相手に確認することで、相手の意図を正確にくみ取ることが重要になります。
3. マイナスなことをプラスに置き換える話術
システム開発の現場では、顧客や上司から難しい要求を受けることがあります。
例)「〇〇をやってほしい」という要求
- 例1:すぐに「無理です」と答えてしまう。
- 例2:「ご要望ありがとうございます。〇〇が可能かどうかはわかりませんが、まずは詳細を確認させてください。その上で、どこまで実現可能か、代替案がないかを検討させていただきます。」
例1のように、相手の要求を即座に否定してしまうと、不信感を招き、今後の関係性を悪化させてしまう可能性があります。
例2のように、相手の要求を一旦受け入れた上で、双方が納得できるようなプラスの提案をしています。
そうすることで良好な関係を維持しやすくなり、かつ、問題点だけでなく、可能な解決策や代替案も提示することで、より建設的な話し合いが生まれます。
このように、相手の立場や状況を理解しつつ、常にプラスの対応を心がけることで、難しい要求にも前向きに対処できるようになります。
なのは、自分に合ったコミュニケーションの取り方を見つけることです。それぞれの個性や得意分野を活かしながら、効果的にコミュニケーションを取る方法を探っていくことが大切です。
まとめ
本記事では、エンジニアに必要なコミュニケーションについて説明しました。
今回説明した内容すべてに共通して言えるのは、相手への思いやりが重要ということです。
相手がどう思うのかを考え、何を伝えたいのか、どうしてほしいのかを適切に伝えることが、より良いコミュニケーションにつながるのだと思います。
今一度、自身のコミュニケーションの取り方を振り返り、思いやりをもって相手に接していたのかを考えてみてはいかがでしょうか。
終わりに
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