皆さんこんにちは!デバイスソフトウェア開発部の本間です。
弊社では、クラウドサービスと連携する⾼性能通信型ドライブレコーダーを開発・提供しております。
今回は、弊社の関連会社である株式会社プレミア・ブライトコネクト(以下「PBC」)より提供が開始された「STZ-DR10」に関して、私が開発を担当した独自機能を中心にご紹介いたします。
参考)PBC プレスリリース:https://www.premier-bc.co.jp/wp-content/uploads/2022/12/news_20221220.pdf
運用時のシステム構成
STZ-DR10 運用時のシステム構成について、端末とクラウドサービスとの関係は下の図となります。
通信型ドライブレコーダー「STZ-DR10」
STZ-DR10 は JVC ケンウッド製のAI ドライブレコーダーの端末本体です。
端末は車両内に取り付けられ、車両前方やドライバーの常時録画、AI による危険運転イベント検知、イベント発生時の録画などを行います。
ドライブレコーダーの基本機能や、ADAS(先進運転支援システム)などは JVC ケンウッド社から提供されており、ソフトウェア開発キット(SDK)により独自開発のアプリケーションを追加できる仕組みとなっています。
弊社では、この STZ-DR10 を IoT/AI デバイスとして活用できるようにクラウドサービス「Pdrive」と連携したユニークな機能を提供しています。
例えば、Pdrive へ危険運転や衝撃検知時のイベントデータや位置・走行情報をアップロードしたり、Pdrive から管理者による端末の遠隔操作を行えます。
また、端末のファームウェアや設定は、Pdrive から遠隔で更新することができるため、常に最新の機能をご利用できます。
交通事故削減ソリューション「Pdrive」
Pdrive はドライブレコーダーから収集したイベントデータや位置・走行情報を蓄積・分析し、交通事故削減ソリューションを提供するクラウドサービスです。
詳細は https://www.pdrive.jp/ をご参照ください。
PAD System「PamNas」
PamNas は株式会社プレミア・エイドが提供する緊急通報サービスです。
交通事故発生や SOS コール時、STZ-DR10 からの緊急通報を受け付け、ドライバーとオペレーターとの通話を可能にします。
STZ-DR10 が提供する機能
ここで STZ-DR10 が提供する機能をご紹介いたします。
基本機能
弊社製品におけるドライブレコーダーに HDL-900(販売終了)、TMX-DM03 がありますが、これらのドライブレコーダーのほとんどの機能は STZ-DR10 にも実装しております。
その為、既製品にてご利用頂いていた機能はそのままご使用いただけます。
また過去製品である HDL-900 が提供するストリーミング機能についても、STZ-DR10 で同等の機能を実装している為、Pdrive のストリーミングサービスを利用することができます。
ストリーミングサービスの用途の考察については下記をご参照ください。
AI による危険運転検出(ADAS/DMS 機能)
メインカメラ(車両前方側)及び、サブカメラ(ドライバー側)の映像をフレーム毎に AI 解析し、危険運転を検出する機能です。
AI 検出機能の名称について、メインカメラ側は ADAS 機能、サブカメラ側は DMS 機能と呼ばれます。
それぞれの機能について、検出可能なイベントは下記となります。
ADAS 機能(車両前方映像の解析)
- ふらつき
- 前方車両接近
- 発進遅れ
- 車線逸脱(片寄り検知)
- 車間距離不足
DMS 機能(ドライバー映像の解析)
- 携帯電話による通話検知
- 眠気検知
- 脇見検知
緊急通報サービス連携
緊急通報サービス「PamNas」と連携し、事故発生や SOS コール時、通話と通報時映像によってドライバーからオペレーターに対して緊急要請することができる機能です。
通話は、STZ-DR10 と PamNas 間の IP 電話によって実現します。
なお、想定する緊急通報のユースケースは下記となります。
- 車両の事故発⽣
- 端末の SOS コールボタン押下
- オペレーターからの遠隔発信
おわりに
今回は新型ドライブレコーダー「STZ-DR10」をご紹介させて頂きました。
交通事故を未然に防ぐことが至上命題であることは言うまでもないことですが、起きてしまった交通事故を早急にかつ正確に対応することも重要な課題ではないでしょうか。
本製品が、それらの課題の解決に貢献できれば大変嬉しく思います。
過去の Pdrive 製品では実現できなかった、STZ-DR10 の「緊急通報サービス連携機能」は交通事故発生時に、運転手が音声通話にてオペレーターへ状況を伝えることができ、オペレーターは STZ-DR10 で撮影した映像を見ながら事故後の適切な対応が可能になります。